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火星へGO! お隣さんの惑星はこんなに地球に似ている!?
2014.4.1更新

火星に海が!? 火星に海があったころのイメージイラストです。©ESA,C.Carreau
4月は2年2か月ぶりの火星シーズン!
地球と火星が近づき、皆さんも自分の天体望遠鏡で火星を観察しやすくなるシーズンです。
地球の次に太陽に近い火星は、言わば“お隣さん”。
月面旅行の次の観光地(?)として、今や脚光を浴びつつあります。
今のうちに火星がどんな所か、知っておこう!
2年2か月の周回遅れ!?

<2014年4月14日の最接近から2016年5月31日の最接近までの地球と火星の位置> この2年2か月の間、地球と火星は様々な位置関係で遠ざかっています。2015年7月には太陽のあっち側とこっち側になり、この期間では最も遠くなります。

<2年2か月ごとに訪れる最接近時の地球と火星の位置> 地球と火星は約2年2か月ごとに最接近するものの、その度に距離は違います。今年の最接近よりも2018年の最接近の方が、もっと距離が縮まります。
地球と火星が約2年2か月の間、離れているのはズバリ!公転周期が違うから。
公転軌道を陸上競技のトラックに見立てて、2人(地球くんと火星ちゃん)が走る様子を想像してみてください。トラックの中心には太陽先生が立っています。2人とも1周するのにかかる時間が同じなら、2人の距離はほとんど変わりません。
ところが地球くんは1周するのに365日、火星ちゃんは687日かかります。それで火星ちゃんは置いてきぼりになり、2人の距離がどんどん離れていくのです。
とは言え、同じトラックを何周もしているので、火星ちゃんは周回遅れで再び地球くんと近づく(最接近)ことができます。これが2年2か月後となるのです。
また実際には地球の軌道がほぼ正円なのに対し、火星の軌道はだ円になっているので、同じ最接近でも2つの惑星の距離はそのときによって違います。
今年の最接近はその距離約9,200万kmであるのに対し、4年後、2018年7月の最接近は約5,800万kmまで迫り、これは大接近!に分類されます。
天体望遠鏡で火星を見よう!

<2014年3〜5月の火星の位置> 青白く光るおとめ座の1等星スピカと赤い火星がこんなに近くに見えます。
肉眼では赤い点に見える火星。天体望遠鏡で見ると、地球の北極または南極に該当する場所に、ドライアイスでできた雪原のようなものである極冠が白く見えることがあります。
火星には四季があり、この極冠は気候の変化で大きさが変化します。条件さえ良ければ、口径8cmぐらいの小さめの天体望遠鏡でも極冠を見ることができます。
また大シルチスと呼ばれる暗い模様なども観察する時間帯によっては見られるかもしれません。
口径20cmぐらいの大きな望遠鏡になれば、フォボス、ダイモスという2つの衛星も確認できるでしょう。
<オススメ 天体望遠鏡>
ポルタⅡ A80Mf
●圧倒的な操作のしやすさ、入門機レベルでは群を抜く剛性。…ビギナーからベテランまでの一般ユーザーだけでなく、全国の公共施設等でも愛用されている経緯台式天体望遠鏡のスタンダード機。
光学形式 : 屈折式
対物レンズ有効径 : 80mm
焦点距離 : 910mm
架台形式 : 経緯台
付属品 : 接眼レンズ2種類、正立天頂プリズム、他
科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.50より転載。