星空ニュース

流れ星をたくさん見る方法、撮影する方法、教えちゃいます

2014.12.5更新

ふたご座流星群

<ふたご座流星群>
星空雲台ポラリエ(赤道儀)で自動追尾し、構図を変えずに流星の写った12コマを比較明合成(※1)して作成。“流れ星”って感じがとっても出ていますよね。撮影 : 井川俊彦(2012.12.14)

※1「比較明合成」=複数の画像を合成して1枚の画像を作る手法の1つ。1枚の画像を細分割し、明るい部分を優先して採用して合成します。

流星群は1年を通してたくさんありますが、中でも「三大流星群」と呼ばれているうちの2つ、「ふたご座流星群」と「しぶんぎ座流星群」は冬に見られる流星群です。
ふたご座流星群のピークは12月14日前後、しぶんぎ座流星群は1月4日前後。
どちらも寒さの厳しい時期ではありますが、温かい飲物を両手で包み、白い息を吐いて見上げる流れ星なんて、ちょっとロマンチックじゃないですか!
皆さんもぜひ、流れ星を見つけるコツをつかんで、素敵な時間を過ごしてみてください。

この日この時間がチャンス!

ふたご座流星群の輻射点

ふたご座流星群は、この輻射点から飛び出てくるように見えます。

流星群には必ず極大日(最もたくさん流れる日)がありますが、決してその日だけしか見られないというわけではありません。
このふたご座流星群の場合、極大日を含め、前後4日、5日は大丈夫
つまり12月11〜15日の5日間ぐらいはチャンスがあります。
郊外の街明かりがほとんどないような暗い夜空を眺められる場所ならば、10日や16日でも見られるでしょう。
流れ星を見たいなら暗い所へ! は鉄則ですが、街明かりだけでなく、月明かりも避ける必要があります
例えば12月14日の場合、月が地平線から出てくるのが23:40(東京の場合)ですから、日没後、空が暗くなってから23:40までが勝負です。
月が昇ってしまってからも楽しみたい方は、月の見えない方角を向くか、月が建物などで隠れる位置に立つなど、とにかく月が視界に入らないよう工夫すると良いでしょう。

ふたご座流星群はその名の通り、ふたご座の方向から星が飛び出てくるように見えます。
その出発点を輻射点(または放射点)と言いますが、この輻射点が天頂近くの高い位置にあると、流れ星をたくさん見られることになります。
また逆に輻射点が地平線の近くにあると、見える流れ星の数は激減してしまうのですが、この時期のふたご座は空が暗くなってからずっと地平線より上にあるので、その心配は不要です。
ふたご座流星群は明るい流星が多く、運が良ければ、火球と呼ばれる大流星を目撃できるかも!?


ふたご座流星群 たくさん見られる日時ベスト3!

1位! 12月14日20:00くらい~夜半前
2位! 12月13日20:00くらい~23:00前
3位! 12月12日20:00くらい~22:00前

流れ星の写真を撮ろう!

適したカメラ

●露出や絞りを自分で変えられる一眼レフタイプやミラーレス
●星空モードのあるコンパクトカメラ

冬の大三角とふたご座流星群(固定撮影)

<冬の大三角とふたご座流星群(固定撮影)>
月齢10.4の大きな月が西空にある時間帯でしたが、絞りF2.2、ISO感度2000、露出8秒で明るい流星をとらえることができました。撮影 : 井川俊彦(2013.12.14)

流星撮影の基本は、まずレンズの絞りを開放側(数値を小さく)にして、ISO感度も1600や3200など高めに設定し、後は撮影地の夜空の明るさ(月明かりの影響も考慮)に応じて露出時間を決めます。
試し撮りをして、夜空がほどよく暗く写り、冬の星座の星が写ればOK(市街地では数秒の場合も)。
そしてカメラのバッテリーとメモリが持つ限り、何枚も連続で撮影しましょう。数打ちゃ当たる! を信じて!!

ふたご座流星群の輻射点

<冬の大三角とふたご座流星群(追尾撮影)>
広角レンズ(14mm)を使って、より広い空が写るように。こちらは天体望遠鏡の赤道儀を使った自動追尾撮影です。撮影 : 井川俊彦(2013.12.14)

カメラを三脚に固定させて撮る方法に対して、カメラを星の動きに合わせて動かしながら撮る追尾撮影という方法もあります。
それには星の動きと同じようにカメラや天体望遠鏡を動かしてくれる赤道儀というものが必要です。
天体望遠鏡の赤道儀は大きくて重く、セッティングも慣れないと大変ですが、撮影用のコンパクトな赤道儀というのもあります。
下の写真は星空雲台ポラリエ
一眼レフカメラと同じぐらいの大きさで、セッティングも簡単にできるようになっています。
まず三脚にポラリエを接続し、そのポラリエにはカメラを接続して使います。

ポラリエの中心が北極星を向くように置いて、星追尾モードを選んで撮影すればOK。
固定撮影で露出時間を長くすると流れ星以外の星も線状に写ってしまいますが、追尾撮影を行えば、流れ星だけがスーッと線になり、ほかの星は点として写すことができます。

<オススメ 天体撮影機材>
星空雲台ポラリエ(WT)
※写真は三脚と雲台2個、ポラリエがセットになった「星空雲台ポラリエ(WT)184三脚セット」。
●星の日周運動に合わせてカメラを動かして、星を点として写してくれます。
 景色と天体のコラボ画像「星景写真」を撮るための星景撮影モードもあります。
サイズ : 95×137×58mm(本体のみ)
重さ : 740g(電池別。本体のみ)

商品詳細

画像_星空雲台ポラリエ(WT)

科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.53より転載。一部再編集。

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