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今が旬! 環の傾き加減もイイ感じの土星

2015.4.24更新

図:土星の環の変化

<土星の環の変化>

帽子のような環を持つ人気者の惑星と言えば土星ですが、5月23日にいよいよ地球から見て太陽の正反対の位置に来る衝(しょう)を迎えます。
衝とは、身近なお月様で言えば、満月の時期です。
この5月下旬あたりはちょうど真夜中南の空高くに昇るのでほぼ一晩中見えていることになります(3月中旬は明け方に、4月中旬は深夜2時過ぎに真南の空に見えます)。
この頃の土星の位置はさそり座からちょうどてんびん座に入ったところ。
さそり座の頭の1等星アンタレスの近くで0等級の明るさで輝いているのですぐに見つけられるでしょう。

また環の開きぐあいも今がちょうどバランスのとれているとき。
土星は太陽の周りを約30年で1周しますが、その土星の公転軌道面に対して土星の環は約26.7度傾いているので、地球から見ると環の見え方に変化があり、15年に一度、環がほとんど見えない年もあります。
麦わら帽子を斜め上や斜め下から見ると帽子のつばが良く見え、真横から見ると帽子のつばが見えないのと同じです。
土星の環の観察にはなんといっても天体望遠鏡が威力を発揮します。
小型の望遠鏡でも倍率を100倍くらいにすると土星の環もハッキリとわかります。

科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.54より転載。

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