4月4日は皆既月食!

皆既月食の「ナゼ?」「ダメ!?」「どうしよう…」を解決します

2015.3.4更新

画像_皆既月食のときの太陽、地球、月の位置

<皆既月食組写真> 月食の始まりと終了間際、皆既食、その前後を組み合わせると、地球の丸い影がわかります。撮影 : 井川俊彦(2014.10.8)

昨年10月に続いて、今年4月4日にまた皆既月食が全国で見られます。
しかもその日は週末! 地方によっては夜桜越しの月食なんて楽しめるかもしれません。
ただし今回は皆既の状態が続くのは約12分間。前回よりもずっと短く、ボヤボヤしていたら見逃してしまうかもしれません。
また次回の皆既月食は2018年とずいぶん先。そこで今回は、昨年の月食での疑問や失敗を解決させて、万全の体制で4.4を迎えましょう!

2015.4.4 月食タイムテーブル

月食の方角と高度

満月が黒い影で覆われ始める「部分月食」が始まるのは19:15。方角は東南東です。この時間、月はまだあまり高い位置まで昇ってきていないので、樹木や建物の陰にならないよう、事前に調べておきましょう。
※図は東京での見え方ですが、全国ほぼ似たような見え方になります。

19:15 部分月食スタート!
(月が黒い影で覆われ始める)
20:54 皆既始まり(赤い月に変身!)
21:00 食の最大
21:06 皆既終わり
22:45 部分月食終了!

いつも見る半月とか三日月のような満ち欠けと、月食とはどう違うの?

三日月の欠け方と月食時の月の欠け方

<三日月の欠け方と月食時の月の欠け方> 三日月の場合は、月の欠けている部分の両端を結ぶと月の中心を通る。月食の場合は、両端を結んでも月の中心を通らない。

満ち欠けは太陽光が月に当たっている部分と当たっていない部分の違いによっておこります。一方、月食は月全体に太陽光が当たっている(満月)のに、太陽と月の間に地球が入ることで影ができて、月の一部や全体が暗くなってしまうもの。
双眼鏡などで見ると、満ち欠けは太陽光が斜めから当たっているので凸凹(クレーター)がわかりやすいですが、月食は正面から当たっているので凸凹があまりはっきりしません

月食って結構時間が長いから、途中で子供が飽きちゃうんですけど…。

確かに昨年の月食は、部分月食の始まりから終わりまで約3時間20分もありましたから、途中で飽きちゃったお子さんもいたかもしれませんね。では今回は時間帯別にポイントを絞って見てみましょう。

19:15〜20:54 部分月食中

<ポイント> 月に地球の影がかぶさって、少しずつ月が欠けていく変化を観察する

宇宙に大きな大きな地球の影ができて、そこへ月が移動していく影踏み状態を想像しながら見てみましょう。ただし全部が影に覆われるまで約1時間40分もあるので、途中から見たり、間に休憩を挟んでもOK。特に沖縄辺りでは日没直後でまだ空が明るいので、20:00前ぐらいから見始めてもいいですね。

画像_2014.10.8の皆既月食の始まりから終わりまで

<ブルーベルト> 月食の欠け際が青く見えている。食分87%くらいのときに露出を3段階変えて撮影した写真を合成。撮影 : 井川俊彦(2014.10.8)

<ポイント> ブルーベルトを確認しよう!

双眼鏡や天体望遠鏡で欠け際(明るい部分と影との境目)をよーく見てみると、帯状に青っぽくなっていることが分かります。これがブルーベルト(ブルーバンド、ターコイズフリンジ)。
食の始めよりは、皆既になる少し前ぐらいの方が色がわかりやすいでしょう。
これは地球大気のオゾン層が赤い波長の光を吸収して、青い波長の光だけが届いているためこう見えるのです。

20:54〜21:06 皆既月食中

<ポイント> 赤銅色に変わったことを確認!

白〜薄黄色に輝く満月が、灰色の影にだんだん覆われていくと思ったら、今度は赤〜オレンジ色に変化。これが月が全部、地球の影にすっぽり入った状態、皆既月食です。ちょっとブキミな感じがしませんか? 大気が澄んでいると明るめのオレンジに、汚れている(ちりが多い)と赤黒く見えます。

皆既月食と星空

<皆既月食と星空> 皆既に入ると、今まで見えていなかった周りの星々がワッと見えてくるようになります。星空雲台ポラリエ+望遠レンズつきカメラでたっぷり露出をかけて撮影。撮影 : 井川俊彦(2014.10.8)

<ポイント> 皆既中だけ現れる星たちに注目!

普通の満月はとても明るくて、周りの星を見えにくくしてしまうのですが、皆既中は月がとても暗くなっているので、この約12分間だけ姿を見せる星たちがあります。
月の下にはおとめ座の青白い1等星スピカが。そこからうしかい座の1等星アークトゥルス、北斗七星まで春の大曲線をたどってみましょう。
皆既になる前は見えていなかった星がたくさん現れていることに気づくでしょう。

21:06〜22:45 部分月食中

再び部分月食の状態に入ります。前半の部分月食と同様に楽しんでください。

スマホで月食を撮ろうとしたのだけどイマイチ。やっぱり一眼レフとかじゃないと無理?

撮れないことはありません!
去年の月食時のSNSなどを見ると、スマートフォンのカメラでも意外とうまく撮れているものもありました。コツをいくつか紹介しましょう。

<コツ1> 可能な限りズーム(拡大)にする
<コツ2> フラッシュはオフにする
<コツ3> ピントは月の端っこで合わせる。AE⁄AFロックが可能な場合は月の端でロックする
<コツ4> シャッターを切るときに手ブレしないようにタイマーを使う

機種によってはこれらの機能がついていない場合がありますが、可能な範囲でやってみましょう。
また双眼鏡や天体望遠鏡にスマホを押し付けて撮るなんていうワザもあり。そのときはまず先に、双眼鏡や天体望遠鏡の方のピントをちゃんと合わせることを忘れずに!

天体望遠鏡を使って撮影するコツは?

皆既月食と星空

<赤銅色の皆既月食と星空> 赤道儀つきの小型天体望遠鏡でたっぷり露出をかけて撮影すると背景の星空も浮かび上がってきます。撮影 : 井川俊彦(2014.10.8)

カメラを天体望遠鏡に固定する専用アダプターを使うと、撮影はかなり楽になります。まずは天体望遠鏡で月にしっかりピントを合わせて、カメラレンズと天体望遠鏡の光軸(レンズの中心)を一致させる。次にカメラ側のピントも合わせて、後は絞りやシャッタースピード(露出時間)を変えてたくさん試してみること。手ブレ防止に、タイマーやレリーズ(リモコン)を使うといいでしょう。もちろんフラッシュはオフです。

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科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.54より転載。

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