ビギナーのための天体撮影講座

003.赤道儀を使って星野写真に挑戦

2013.11.8更新

画像_星空

今回の撮影方法で実際に撮った星空
2010.3.21撮影

今回はいよいよ赤道儀を使った星野(せいや)写真に挑戦。
第1回目でも星空全体をとらえる撮影を行いましたが、今回は赤道儀を使って星の動きを追いかけながら撮影します。
天の川やペルセウス座流星群をはじめ、夏は魅力的な天体がたくさん登場します。
また、たくさんの惑星が一度に夜空に集合! なんていう豪華(?)な日も。
このチャンスを逃さないように、皆さんも天体写真にトライしてみてください。

必要な機材

  • 長時間露光ができるカメラ
  • ビクセンのGP2赤道儀セットなどモータードライブ付の天体望遠鏡
    (またはGP2ガイドパックのような星野写真撮影専用赤道儀)
  • 望遠鏡にカメラを搭載するための自由雲台
  • ウェイト軸カメラ雲台
  • カメラ用のリモコン
  • 方位磁石(コンパス)

この撮影方法に適した天体

画像_固定撮影の例

惑星、恒星、星雲、星団などほとんどの天体に適しています。
001.まずはコンデジを空へ向けようのように、三脚にカメラを固定して十数秒以上シャッターを開けたまま写すと、日周運動によって星が動いていくので、星が線になって写ります。
この撮影方法は固定撮影(静止撮影)といって、星空の動きをダイナミックに表現できます(写真B)。

画像_追尾撮影の例

これを、モータードライブ付きの赤道儀にカメラをセットして星の日周運動を追いかけながら撮影すると、天の川の濃淡をくっきりと写したり、固定撮影でははっきり写らないような暗い星を鮮明にとらえたりすることができます(写真A)。
また望遠レンズを使うと写真Cのように、肉眼では到底見えない小さな星雲•星団まで写すことができます。

準備編

月はとても明るいので、星の撮影に比べると街灯など周囲の明るさはそれほど影響しません。
庭やベランダ、公園などで気軽にトライしてみましょう。
ただし天体望遠鏡がグラつかないよう、足場はしっかりと固定できる場所を選んでください。

カメラの設定

  • ISO : 400〜1800
  • 絞り(F値) : 最大限明るく(F値を小さく)
  • シャッタースピード : 開放(バルブ撮影モード)
  • ピント : 無限遠(∞)
  • ノイズリダクション : オン

露出時間は2~10分程度です。
感度と露出時間は、空が明るい市街地ではISO400で2分程度、天の川が見えるような暗い夜空ではISO800で3~7分が目安となります。

撮影編

画像_極軸を北に合わせる

赤道儀などのセッティングは明るいうちに済ませておきましょう。
水平で安定した場所に赤道儀を置いたら、方位磁石を使って北を確認し、赤道儀の極軸を北の方角に向けます(写真D)。

画像_極軸の傾きを調整

次に極軸の高度目盛りを見て、撮影する場所の緯度(関東地方の場合は北緯35〜36度)に極軸の傾きを調整します(写真E)。

※望遠レンズを使用したり露出時間を長くする場合は、極軸望遠鏡を使用して、より正確にセッティングする必要があります。その場合は赤道儀の説明書をご覧下さい。

画像_ウェイト軸にカメラ雲台を装着

赤道儀の2つの軸のクランプがしっかりと締まっていることを確認して()、赤道儀のバランスウェイトをはずし、ウェイト軸にウェイト軸カメラ雲台と自由雲台を取り付けます(写真F)。
次に自由雲台にカメラを取り付けます。
ウェイト軸カメラ雲台の2つのネジを緩めてウェイト軸上の取り付け位置を調整しながら、望遠鏡とカメラ側のバランスをとります。

クランプが緩んでいると、バランスウェイトをはずしたときに一時的に赤道儀のバランスが崩れて望遠鏡が急に回転しけがをする危険があります。必ず確認してください。

画像_シャッターを切る

カメラの自由雲台を操作して、写したい星座の方向にカメラを向けます。
方向が決まったらカメラのリモコンを操作して、そっとシャッターを切ります。
露出時間を変えて、何枚か撮影してみましょう。
少なくても2分は開放しておきます。

流れ星を写してみよう!

画像_ペルセウス座流星群

固定撮影で写したペルセウス座流星群(撮影 : 大野裕明)

夏休みは流れ星の写真を撮るチャンスです。
ペルセウス座流星群の極大日(最も多く流れる日)は8月13日ごろで、その前後4、5日の間はたくさんの流れ星が観察できるはずです。
今回の撮影講座で紹介した赤道儀を使用する方法でなく、三脚に直接カメラを接続しただけの固定撮影でも流れ星の撮影は可能です。
ただしその場合でも露出時間は3~5分ぐらい設けてください。
流れ星はどこに流れるかわからないので、うまくカメラに収まるかどうかは運しだいということになりますが、それだけに写せたら喜びもひとしお。
ぜひ、流れ星撮影に挑戦してみてください。

科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.35より転載。一部改訂。

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