全国家庭顕微鏡普及協会

第1部「全国家庭顕微鏡普及協会」誕生!
第3話 見たいものを薄くするコツ…

キュウリ

キュウリ(63倍)
「緑色の粒状のものが葉緑素だ。外側に近いほど細かくてぎっしり並んでいるね」(父)

夏休みに入ってボクの顕微鏡観察は忙しくなってきた。宿題の自由研究に提出するためだ。
いろんなものを見ていると、最近はますます「この断面はどうなっているのかなぁ?」って疑問がわく。
でも薄っぺらいものじゃないと光が通らないから観察できないんだ。何かいい方法はないかなぁ…。
悩んでいると父さんが言った。
「簡単ミクロトームを作って見るか!」

簡単! ミクロトーム

ミクロトーム作成図

▲ 台所にあるスライサーにプラスチックの板を貼付けて…


ミクロトーム作成図

▲ 横から見たところ

ミクロトームっていうのは顕微鏡観察用に試料を薄く切る機械で、研究所などで使う道具。とっても高価だ。
でも父さんのは“簡単”で安上がり。
まず台所からスライサー(薄切り調理具)を借りてきた。
「あとは、刃の高さとほぼ同じになる、厚手のプラスチック板などがあればいいんだ」
いらなくなったプラ容器から5cm角ほどの板を切り取る。図のように加工すれば、簡単ミクロトームの完成だ。


! 簡単ミクロトームを作る際は、スライサーの刃で手を切ったりしないよう、十分にご注意ください。

完全でなくてもいい。見て楽しむことが大事

早速ダイコン、ニンジン、キュウリと、今夜のサラダの材料をスライスして観察してみた。
細胞や維管束(道管などが集まった部分)がよくわかる。
さらに木の葉など薄いものは、ダイコンの切れ端に切れ込みを入れてはさみ、ダイコンごとそのままスライスする。
材料の押し付け具合を工夫して切れる厚みを調整すると、本格的な標本…とまではいかないけど、観察するのには十分。これでもっとプレパラートを作れるぞ!

  • セロリ

    セロリ(40倍)
    「周りの白いつぶつぶは良く見ると梅酒に使う氷砂糖の形とよく似ているわ」(母)

  • ダイコン

    ダイコン(63倍)
    「古くて“す“が入ったダイコンだったから、気泡がたくさん見えるね」(父)

  • ニンジン

    ニンジン(150倍)
    「皮の部分がずいぶん厚いわ。赤い色素が多いのは表面にへこみのあったところね」(母)

“顕微鏡七つ道具”を作ろう

簡単ミクロトーム以外にも、台所用品には顕微鏡観察に役立つアイテムが目白押し。
便利な観察セット、解剖器セットもあるが、手っ取り早く身近な物でまかなう方法もある。
例えば弁当のしょうゆ入れは、スポイト代わりになるし、染色液の入れ物にもいい。
小さな金ザルは、スライドグラスなどを洗うときに便利だ。
カバーグラスなどは調味料ボックスに整理しておく。
ペーパータオルは何かと便利だし、竹串は実験用柄付き針のように使いやすい。
これらをまとめて、食品保存用の密閉容器に入れておけば手作り観察セットのできあがり。

顕微鏡愛好の心得

第三条「台所用品は顕微鏡の友である」

科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.15より転載。

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