全国家庭顕微鏡普及協会

第3部
第1話 お札探検! マイクロ文字を探せ

「マイクロ文字」というものを聞いたことあるだろうか?
マイクロ(micro)…つまりとても小さい文字ということだが、これが今まで気づかなかったあちらこちらに隠れていることを発見した。
その代表的な例が紙幣。
ただの線だと思っていた部分が、実は小さいちーさい文字の列だったり、「NIPPON」の文字がまるでかくれんぼするみたいにバラバラに散りばめてあったり…。
国立印刷局のお作りになる日本銀行券にしては、ちょっとお茶目な感じもして、見ているとなかなか面白い。
お札1枚で優に1、2時間は遊べてしまうのだよ。

1000円札探検!

画像 1000円札

1,000円札表面左上。「1000」の文字の下の台を、ルーペで見てみると…(20倍)。

画像 1000円札

1,000円札の表面右下。「野口英世」の文字の右から下にかけての模様の中に…(20倍)。

10倍前後の倍率のルーペを用意して、まずは1,000円札の表面をのぞいてみよう。
コツはルーペのレンズに目を十分に近づけること。
ピントを合わせるには、ルーペではなくお札の方を近づけたり遠ざけたりすると合わせやすい。
左上の「1000」の文字の下、台座のような物の部分に「NIPPONGINKONIPPON GINKO…」の文字列が見えてくる。
それから右下の「野口英世」の文字の右下、ここにも「NIPPONGINKONIPPONGINKO…」の文字列が。
両方とも、肉眼で見るとただの線にしか見えない。
1,000円札の場合、表で5カ所、裏には3カ所にマイクロ文字を発見。
製造された年によっても少しずつちがうマイクロ文字もあるという。これからも紙幣観察は続けるつもりだ。

500円硬貨も探るべし

画像 500円硬貨

500円硬貨の「500」の「0」を拡大してみると、「NIPPON」の「P」が2つ(40倍)。

画像 500円硬貨

500円硬貨表面、桐の模様の中心よりわずかに左上を拡大してみると、「NIPPON」の「N」が(40倍)。

お札にはマイクロ文字だけではなく、他にもいろいろな偽造防止技術が使われているらしい。
そこで今度は顕微鏡の出番。
顕微鏡というと理科室で光に透かして細胞をのぞいたりというイメージが強いが、私が愛用しているのは双眼実体顕微鏡。
倍率は20〜60倍と低めだが、物を透かして見るのではなく上から光を当てて見る、いわばルーペの親分みたいなものだ。
しかも片目ではなく両眼で見るので、立体的に見ることができて、なかなかリアルなミクロワールドが楽しめる。
観察のコツは“光”。
顕微鏡についている照明を上手く調整したり、あるいはコンパクトな懐中電灯を使うのも手だ(大きい懐中電灯は持っているとすぐ疲れる)。
十分に光を当てて観察すると、お札の印刷インクが盛り上がっている様子(深凹版印刷)や、すかしのデコボコもすごくよくわかってくる。
500円硬貨には“あった、あった。「NIPPON」の6文字がバラバラに散りばめてある。
まるでいたずらっぽい感じもするのだが、これらは日本の造幣技術を駆使した偽造防止策。
ほかにも外国の紙幣や偽造を防ぐ必要のあるクレジットカードやパスポート、商品券や図書券などの金券にもマイクロ文字などが潜んでいるので、ぜひ皆さんにも探してみてほしい。

以上、全国家庭顕微鏡普及協会会員No.721 野口英雄の報告による。

正体を見破れ!

さて、これらは私が撮影したマイクロ文字の写真だ。
それぞれ、一体何を写したものかわかるかな?
答えは…フフフ、このページのどこかに隠しておいたよ。

  • 画像 A

    <A> ある一部分にあやしく光るマイクロ文字。これはかなり見つけやすい(10倍)。

  • 画像 B

    <B> 植物の葉の模様かと思っていたら、これはただの線ではなく文字!? (10倍)。

  • 画像 C

    <C> 「AC」の文字の後、ボカシをかけた部分には個人情報の一部が…。自分の情報がこんなところにマイクロ文字で印刷されていることに、なんだかちょっと感動! (10倍)。

お札は超ハイテク。印刷技術の宝庫

画像 ミクロボーイSL-30

<オススメ顕微鏡>
ミクロボーイSL-30
物体の表面を観察する双眼実体顕微鏡。重さ860gのコンパクトボディで気軽にミクロの世界を楽しめます。12種類の鉱物のセットが付属しています。

商品詳細

マイクロ文字を始め、お札にはさまざまな高度印刷技術が駆使されていますが、これらはすべてニセ札を作りにくくするための工夫。
たとえばマイクロ文字は、そんじょそこらのコピー機や印刷機では到底再現できない精密さだから、マイクロ文字がきちんと印刷されているかどうかを見れば、本物かどうかすぐわかります。
他にも、偽造防止技術はたくさんあります。
たとえば、紙の厚さを微妙に変化させ、光にすかしたときに模様が浮かび上がる「すかし(すき入れ)」は、最も基本的な技術のひとつ。
現代のお札ではさらに、特殊なインクと印刷技術を使って文字や線を盛り上がらせたり(深凹版印刷と呼ばれる。コピーすると影が出てつぶれてしまう)、きらきらと光る物質を含んだパールインキ(ふつうの印刷では使われない)、虹色に光を反射して立体的な絵柄が浮かび上がるホログラム(作るのに大規模な設備が必要)など、さまざまな“超”印刷技術が用いられています。

クイズの答

  • 画像 A

    <A> 図書券の光る破線部分。なお、図書券は2005年9月ですでに発行を終了。

  • 画像 B

    <B> パスポートの最後のページ、右下の植物をよく見ると…。

  • 画像 C

    <C> クレジットカード。カード会社のロゴマークの縁取りラインが、マイクロ文字列でできている。

科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.21より転載。

ページの先頭へ戻る