全国家庭顕微鏡普及協会

第5部 一番身近なミラクルワールド - 人体
第1話「ケ!」

毛根

毛根(透過光)。透過光で観察すると、根元が太くなっている様子や、根元についていた皮脂がよくわかります。

生まれたときからこんな近くにあるのに、実はよく知らない“自分の体”。
顕微鏡でのぞいてみたいけど学校の理科室ではちょっとやりづらい。
こんなときこそ全国家庭顕微鏡普及協会の出番です。
こっそり自分の体の神秘に迫ってみましょう。
記念すべき第1回は「ケ」から始めてみましょうか。

まずは毛髪から

透過光で見た髪の毛

透過光で見た髪の毛。

水をたらして見てみたところ(透過光)

水をたらして見てみたところ(透過光)。

懐中電灯で横から照らして観察(反射光)

懐中電灯で横から照らして観察(反射光)。

顕微鏡好きなら誰もが一度は観察する「毛」。痛い思いをして抜かなくても、床やお風呂にけっこう落ちているのでそれを使いましょう。
髪の毛を顕微鏡で観察するとき、もっとも簡単なのはスライドグラスなどの上に髪の毛をのせてそのまま観察する方法。でも黒い髪の毛はこの方法ではあまりよく見えません(写真①)。
普通のプレパラートのように水を1滴たらしてカバーグラスで封をすると、やや細かい部分が見えてきます(写真②)。
よく見るとまん中に黒い芯があり、表面には魚の鱗のようなでこぼこがありますね。

髪の毛は皮膚の細胞が変化したもので、大きく3重の構造になっています(下図参照)。
中心にあるのが「毛髄質」で脂肪や色素が含まれていますが、その役割はまだよくわかっていないようです。
一番外側は「毛小皮」と呼ばれる皮の部分で、かたい鱗のようなキューティクルが重なって内部を守っています。
そしてこの間にあるのが「毛皮質」で、繊維状になっていて髪の毛の強さを保っています。ここに黒色の色素であるメラニンがあるので、髪の毛が黒く見えるのです。
キューティクルを観察するには、懐中電灯などで横から光を当てて観察します(写真③)。表面に見える筋のような模様がキューティクルのへりです。

毛の構造図

いろいろな毛を見てみよう

次はお父さんやお爺ちゃんにも協力してもらって、いろいろな毛を観察してみよう!

  • お父さんの鼻毛

    お父さんの鼻毛(反射光)。

  • 白いひげ

    白いひげや鼻毛は、頭髪に比べて表面が滑らかに見えます(透過光)。

  • しらが

    しらが。白髪は毛皮質のメラニン色素がなくなっているので、そのままでも毛髄質やキューティクルがよく観察できます(透過光)。

  • しらが

    しらが。横から光を当てて観察すると、すごくきれい!(反射光)。

  • 毛根

    毛根。根毛から何かが出ています(反射光)。

  • 毛根

    毛根。根毛から出てるのは、色素でしょうか(透過光)。

毛髪の観察方法

試料の作り方

直接観察
採集した毛を、セロハンテープなどでスライドグラスに留め、そのままルーペや顕微鏡で観察する。

簡易プレパラート
採集した毛を2cmぐらい切り、スライドグラスに載せて水を1滴たらしてからカバーグラスで封をして、ルーペや顕微鏡でん刷する。

光の当て方

透過光
毛の向こう側から光を透過させて観察する(通常の観察法)。顕微鏡のステージの穴の下から光をあてるのがこのタイプ。

反射光
毛の横または斜め上から光を当て、反射してきた光を観察する。ステージの上から専用のライトや小型の懐中電灯で照らす方法。

上級編

毛髪の表面を型取りしよう<スンプ法>

スライドグラス 毛髪のスンプ

毛髪のスンプ。キューティクルが何枚も重なっている様子がよくわかる。

黒い毛の表面はなかなかうまく観察できませんが、「スンプ」と呼ばれる、表面の形を写し取る方法だと、とてもよく見えます。ここでは、木工ボンドを利用した簡易スンプ法を紹介しましょう。
写真のように、スライドグラスの上に木工ボンドを1~2滴たらして平らに広げ、その上に毛髪をそっと載せる(押しつけると失敗する)。
そのままテープなどで固定して、12時間ぐらい放置する。ゴミなどが載らないようにコップなどをかぶせておくといい。
ボンドが完全に固まって透明になったら、毛髪を真上にそっとはがして(横に引っぱらないように)、ボンドの表面を上に向けて顕微鏡でそのまま観察する。

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