全国家庭顕微鏡普及協会

第5部 一番身近なミラクルワールド - 人体
第2話 皮膚は語る!?

画像 主婦の手

主婦の手。親指と人差し指の付け根の部分(10倍)

生まれたときからずーっと見ている“自分の体”。
でも体には知らないことや不思議なことがいっぱい。
ルーペや顕微鏡でじっくり観察してみたいけど学校の理科室ではちょっとやりづらい。
こんなときこそ全国家庭顕微鏡普及協会の出番です。
こっそり自分の体の神秘に迫ってみましょう。
今回の観察テーマは「皮膚」です

まずはいろいろな人の手を見てみよう

画像 手のこのあたり

軽く握った手のこのあたりを観察してみよう。

単純に見えて実はたくさんの役目をもっている皮膚。
年齢や生活のしかたなどによって差ができたり、同じ人でも体のどの部分かによって少しずつしくみが異なります。
そこでまず、いろいろな人の同じ部分の皮膚を観察して、違いを調べてみましょう。
調べる場所は下の写真のように、軽くにぎった手の親指と人差し指の付け根の間。
10倍ぐらいの高倍率ルーペを使うと違いがわかりやすいですよ。
調べたのは10代、20代、50代の男性と主婦(写真右上)の4人。
大きな違いは、若い人の方が毛がたくさんあること。
また50代男性と主婦は少ししわが深くて多いみたいです。
ピンク色した滑らかな主婦の手は、小まめにハンドクリームを塗っている成果。
でもしわの深さでは一番のようです。
日々の炊事洗濯の苦労が表れています(涙)。

  • 画像 10代の男の子の手

    10代の男の子(10倍)。

  • 画像 20代の男性の手

    20代の男性(10倍)。

  • 画像 50代の男性の手

    50代の男性(10倍)。

皮膚はこんなに働いている!

イラスト 皮膚の断面

皮膚の断面

図のように、人間の皮膚は大きく分けて3層構造になっています。
一番下の脂肪層は、熱や寒さを防いだりクッションの役目を持つほか、体のエネルギーを脂肪として蓄えたりします。
まん中の真皮は、神経終末、皮脂や汗の分泌腺、毛包、血管などがあって、外部からの刺激を感じ取ったり、汗をかいて体温調節をしたり、皮膚表面を潤す皮脂を分泌したり…と、人体にとってとても重要な働きをする部位です。
一番上の表皮は、真皮に比べて薄い層ですが、水をはじいたり細菌などの侵入を防ぐ、丈夫な外壁の役割を果たしています。
そのために一番外側には死んだ細胞が平たくなって重なった角質層ができていて、次々とはがれ落ちながら下の層を守っているのです。

カラダの中を見てみよう

次に、同じ人の体でいろいろな部分の皮膚を観察してみましょう。
下の6点の写真はいずれも10代の男の子の皮膚をルーペで見たもの(10倍)。
どれがどこの写真だかわかるかな?答はこのページのどこかに。

  • 画像 指紋の一部のようなもの

    <A> 指紋の一部のようなものがくっきりと見られます。指紋は滑り止めの役割を果たしています。

  • 画像 表面全体が平坦

    <B> こちらも指紋がありますがAと比べるとずいぶんと表面全体が平坦になっているようです。

  • 画像 プツプツ見える

    <C> プツプツ見えるのは毛の根元に詰まっている脂肪の塊。これを取るためのパックが良く売れています。

  • 画像 赤い斑点やうんだ跡

    <D> 赤い斑点やうんだ跡が見られるなど、ずいぶんとお肌のトラブルを抱えているようです。

  • 画像 モヤモヤと黒っぽい色素

    <E> AやBと比べると、モヤモヤと黒っぽい色素が下の層から見えるのが分かるかな?これは表皮の下側にメラニンという色素を作るメラニン細胞があるから。半袖シャツの下からいつもコノ部分が出ているから、日に焼けてメラニンが増えて黒っぽくなってしまったのですね。

  • 画像 皮膚の細胞が硬くなったもの

    <F> あれ?コレって皮膚?・・・実はコレ、皮膚の細胞が硬くなったもの。一見ツルツルに見えるものの拡大すると小さなデコボコがあるのは、細胞がケラチンという物質になって積み重なったからなのです。さらにコレの根元の部分を見ると、皮膚がはがれながらコレとなって伸びていく様子がわかります。

上級編

簡易スンプで皮膚を見てみよう

スンプとは、ものの表面を型取りして観察する方法。木工用ボンドを皮膚表面に薄く塗り(※)、完全に乾いたらはがしてスライドグラスに載せて顕微鏡で観察する。

※皮膚の弱い人などは肌が荒れたりすることがあるので、あらかじめ極少量のボンドで試してみること。心配な場合は、決してこの実験を行わないでください。

  • 画像 10代の男の子の手

    かかと。指紋のような深いしわがあるうえに、細かいでこぼこがある(100倍)。

  • 画像 20代の男性の手

    腕の内側。しわの間に穴のようなものが見られる(100倍)。

  • 画像 50代の男性の手

    爪の表面。ルーペで観察するより、表面のようすが詳しく見える(100倍)。

こ•た•え

<A> 手のひら。よく見ると指紋は指先だけでなく、手のひらにもあるのだね。
<B> 足の裏。足と手は皮膚の表面も似ています。平坦なのはいつも踏みつけているせい。
<C> 鼻の頭。皮脂で蓋をされた毛穴、角栓がよく見えますね
<D> ほお。赤いのはニキビ跡で少しふくらんでいます。
<E> 腕。服からいつも露出しているので、すっかり日焼けしています。
<F> 手の爪。爪がピンク色をしているのは、その下に毛細血管が集中しているから。

科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.31より転載。

ページの先頭へ戻る