全国家庭顕微鏡普及協会

第11部
第1話 美しさと健康のためにミドリムシ!? ついでに地球も救っちゃうゾ!!

ミドリムシ

これがミドリムシ。赤い部分は眼です。「美しい(eu)眼点(glena)」を持つことから「ユーグレナ(euglena)」という学名がつけられています。

ビタミン、ミネラル、アミノ酸など、健康に欠かせない栄養素を豊富に含み、デトックス、アンチエイジング効果も期待できる夢のような食品、それは…ミドリムシ! オススメはミドリムシ6億匹入りのラーメン? いいえ、それよりも10億匹入りジュース? 人々を健康にし、そして環境問題にも一役買うというミドリムシの不思議に迫りましょう。

ムシだけど虫じゃないミドリムシ?

ミドリムシ

ミドリムシのムニーッムニーッとした動きはユーグレナ運動(すじりもじり運動)と呼ばれていて、見ていて飽きません。下の動画必見! (100倍)


ウチワヒゲムシ

ミドリムシにはたくさんの仲間がいます。写真はウチワのような形をしたウチワヒゲムシ。(150倍)

ミドリムシはほかの微生物と同様、その辺りの池や沼、水田などに住んでいます。
葉緑素を持った緑色の体で、光合成を行い、大きさは0.1mm以下。鞭毛(べんもう)が生えていて、体の形を自在に変えながらクネクネと動き回ります。
名前はミドリムシですが、ワカメやコンブと同じ藻類の仲間で、植物なのか動物なのか、分類が難しい生き物なのです。
動きが比較的ゆっくりしているので顕微鏡で観察しやすく、体の内部が透けて見えるので、見ていて楽しい微生物の1つです。

ミドリムシで健康に?

ミドリムシクッキー

美味しくて、栄養があって、かわいい(?)ミドリムシクッキー。

動物と生物の両方の性質を持っているミドリムシには、たくさんの栄養素が含まれていて、人間の体に必要なビタミン、ミネラル、アミノ酸など全て持っているとも言われています。いわゆるデトックス効果もあって、コレステロールなどの悪い物質を排出し、健康のみならず、肌荒れ改善、アンチエイジング効果なども期待されています。
ミドリムシは自然に生息しているものを採取するだけでなく、大量に培養することも可能。まさに夢のような食材(?)なのです。
サプリメントはもちろんのこと、ジュースやカステラ、ラーメン、クッキー…と様々なミドリムシ食品が開発され、「ミドリムシ◯億匹入り!」なんていう宣伝文句も。すでにミドリムシブームはやってきている!?

ミドリムシで地球を救う?

ミドリムシは光合成を行う生き物。光合成には水と二酸化炭素が使われ、代わりにエネルギーを得て酸素を放出することは、皆さんも理科の授業で習いましたね。つまり大量にミドリムシを培養すると二酸化炭素を減らすことができるのです。
育てている最中は二酸化炭素削減に役立ち、育った後は健康食品や燃料に。ミドリムシって、なんてエライのでしょう!!

ミドリムシで車が走る?

ミドリムシにはたくさんの油が含まれていて、それを抽出して燃料にしようという計画が自動車メーカーなどで進められています。
原油などの化石燃料は採掘し続けるとやがて枯渇する心配がありますが、ミドリムシなら培養が可能。ミドリムシ燃料で車を走らせたり、飛行機を飛ばしたり…実用化に向けて着々と研究が進んでいます。すでに軽油にミドリムシ燃料を混ぜたものは、神奈川県でバスの走行に使われています。
また化石燃料の代わりになるということは、石油でできているプラスチック製品も作れる?? …ということで、こちらもまだ研究段階ですが、「原材料 : ミドリムシ」なんていう製品の登場も遠くはないようです。

ミドリムシが病気を治す?

「ミドリムシに大腸がんの抑制効果」という論文が兵庫県立大学と民間企業の研究によって発表されたのは2013年。ミドリムシが持つ豊富な栄養素は、健康を維持するだけでなく、病気の予防にも役立つ可能性があるようです。
これはまだマウスの実験段階ですが、実用化に期待する人は多いことでしょう。また花粉症や糖尿病などへの効果も期待できそうだということです。
すごいゾ! ミドリムシ。

動く! ミドリムシ

科学情報誌「So-TEN-Ken」Vol.53より転載。

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